肩甲骨とは、背中の上部に左右対称に位置する「逆三角形の平たい骨」です。胴体部と上腕骨をつなぐ重要な役割を担っています。実はこの「肩甲骨」を動かすことで、身体に様々な良い影響をもたらすことができると言われています。
最近はコロナ禍によって、外出自粛が要請され、運動不足や体重増加に悩む方も多いことでしょう。そんな方におすすめなのが「肩甲骨ダイエット」です。
この記事では「肩甲骨を動かすことがダイエットに効果的な理由」を解説し、その後におすすめの「肩甲骨エクササイズ」をご紹介します。
「デスクワーク中心で運動不足に悩んでいる」「背中周りの脂肪が気になる」「自宅でできるダイエット法が知りたい」という方は必見の内容となっております。是非記事を見ながら実践してみてください!
目次
肩甲骨を動かすことがダイエットに効果的な理由
ここから「肩甲骨を動かすことがダイエットに効果的な理由」を3つの視点で解説します。実践を始める前に、まずは「効果」について理解していきましょう。
褐色脂肪細胞の活性化で脂肪燃焼
肩甲骨の周辺には「褐色脂肪細胞」という特殊な細胞が存在します。「脂肪」という言葉が入っておりますが、この「褐色脂肪細胞」は「体脂肪」のように、太ってしまうような脂肪ではありません。
肩甲骨を動かし「褐色脂肪細胞」を活性化させることで、基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼させる効果が期待できます。褐色脂肪細胞は、赤ちゃんの時に最も多く、年齢を重ねるごとに減少していくのが特徴です。肩甲骨を動かしても、細胞の数を増やすことはできませんが、細胞自体を活性化させることはできます。
痩せやすい身体作りはもちろんのこと、元気のない細胞に良い刺激を与えられることから、「肩甲骨を動かすダイエット法」は中高齢の方にもおすすめと言えるでしょう。
血行促進
人間の肩甲骨の周りには大きな筋肉が付いています。その筋肉が凝り固まると、血行が悪くなります。特に冬場は筋肉が硬直しやすいため、夏場以上に血行が悪くなり、「冷え性」「肩こり」「足のむくみ」といった症状を引き起こすことになります。
しかし、肩甲骨を動かすことで、血行を促進させ、そのような症状を改善させることができます。背中に張り付いた肩甲骨を動かすためのストレッチを「肩甲骨はがし」と言います。
デスクワークを中心に仕事をしていたり、スマートフォンを長時間に渡って触っていると、肩甲骨は外側に移動し、可動域は狭くなってしまいます。「肩甲骨はがし」をおこなうことで、狭くなった可動域を広げ、体全体に血液が行き渡るようになります。
「冷え性」「むくみ」「肩こり」に困っている方は、適度に肩甲骨を動かすことで、このような症状を改善させることができるかもしれません。
姿勢改善
肩甲骨が凝り固まると、姿勢にも悪い影響を与えます。肩が内側に入り、肩甲骨が外側に開いてしまうことで、猫背になったり、極端に姿勢が悪くなったりします。
特に椅子に座っている時間が長い方や日常的によく家事をしている方に多い状態です。この姿勢のまま生活していると、疲労や慢性的に緊張を感じやすくなるため、注意が必要です。
そのため、定期的に肩甲骨をほぐしてあげることが重要です。ちょっとした空き時間や仕事の合間に、1分程度でも良いので、肩を軽く回したり、ほぐしたりして、肩甲骨が凝り固まらない状態をキープするようにしましょう。継続的におこなっていると、自然と姿勢が改善されます。
この後に効果的な「肩甲骨エクササイズ」をご紹介しているので、そちらも是非参考にしてください。
【動画】二の腕・背中の引き締めに効果的な肩甲骨エクササイズ
ここからは、「二の腕・背中の引き締めに効果的な肩甲骨エクササイズ」を画像付きでご紹介します。トレーニング1〜5までを20秒で各20回ずつ、一定のリズムでおこなっていきましょう。
また「負荷が大きい」と感じた場合には回数を減らしても問題ありません。呼吸を止めることなく、背中・脇・胸の筋肉を意識しながらおこなうことが大切です。
ここからは5つのトレーニングを記事でも紹介します!
トレーニング1

- 膝立ちの姿勢で腕と腕を合わせます。両腕の間に隙間ができないように、しっかりとくっつけます。
- その状態をキープしたまま、両腕を上下に動かしていきます。顎から鼻の高さまで、肘が離れない範囲で動かすようにしましょう。横から見ると、下図のような感じになります。
- しっかりと胸を張り、背中から脇にかけて意識するのがポイントです。
- 上下の動き20回を終えたら、軽く腕を振り、10秒程休憩を取り入れましょう。
トレーニング2

- 腕を水平に上げます。腕が下がると肩がすくみ、効果がなくなるので注意しましょう。地面と平行になるくらいです。
- 手のひらを上に向けます。「上に向ける⇒下に向ける⇒上に向ける…」のように、交互にこの動きを繰り返していきましょう。
- 手のひらを上に向けるのと同時に、肩もしっかりと回していきましょう。手のひらの動きと一緒に胸を張るのがポイントです。
- トレーニング1と同じように、20回を終えたら、軽く腕を振り10秒程の休憩を挟みましょう。
トレーニング3

- 膝立ちの姿勢で腕を水平に上げ、手のひらを上にした状態で身体の後ろへ腕を伸ばします。
- 腕を頭の上に上げた状態から、肘を下ろしていきます。胸は常に張った状態で肩甲骨を寄せることを意識しましょう。
- 腕は常に身体の後ろに位置した状態です。肩がすくまないように注意しましょう。
- こちらも20回を終えたら、軽く休憩を挟みます。「きつい」と感じる場合は、10回程度から始めてもOKです。
トレーニング4

- うつ伏せの状態になり、手の甲が地面に向くように腕を伸ばします。頭と足は軽く浮かせます。
- 手の甲を地面に向けた状態から、手の甲を上に向けていきます。「上に向ける⇒下に向ける⇒上に向ける…」といった流れです。
- 胸を張り、肩甲骨を寄せることが大切です。「呼吸は止めない」「顎を上げない」を意識しましょう。
トレーニング5

- うつ伏せになり、手のひらを地面に向けて腕を伸ばした状態からスタートします。
- 腕を頭の前に向けて伸ばし、肘を引いていきます。
- 肩甲骨を意識し、肘を引くのと同時に胸を張ります。
- 顎はしっかりと引いた状態を維持し、最後まで集中力を切らさないことが大切です。
こちらでトレーニングは以上となります。
まとめ
久しぶりに運動した方にとっては「少しきつい」と感じるかもしれません。最初は回数を減らし、無理のない範囲でおこなうことが大切です。まずは各10回ずつを目安に始めましょう。
肩甲骨を動かすことで「脂肪燃焼」「血行促進」「姿勢改善」など、身体の様々な部分に良い影響をもたらすことができます。
「運動不足」「体重増加」「冷え性」で悩んでいるのであれば、まずは「肩甲骨エクササイズ」から始めるのも良いでしょう。
また、基礎代謝を上げることで、痩せやすい身体を維持することができます。「肩甲骨エクササイズ」は怪我をする可能性が低いため、中高齢の方にとっては最適なダイエットと言っても良いかもしれません。
ダイエットをするにあたって大切なのは「継続すること」です。無理のない範囲で、「毎日10分」を目安におこなっていきましょう。健康な身体作りに「肩甲骨エクササイズ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
