ストレッチは柔軟運動や柔軟体操とも呼ばれ、筋肉・関節を意図的に伸ばす運動をいいます。必要な道具がなく一人でも可能なため、誰でも手軽に行うことができるというのが良い点です。また、ストレッチのダイエット効果も注目されており、ダイエットとしてストレッチを取り入れる例も増えています。
そこで、今回はストレッチのダイエット効果や各部位の具体的なストレッチ方法を解説します。是非記事を見ながらストレッチを行ってみてください!
目次
ストレッチの効果
ストレッチは体の柔軟性向上や怪我の予防に効果的で、激しい運動を行う前の準備運動として行われることも多くあります。これらの効果に加えて、基礎代謝向上やむくみ・姿勢の改善などの効果もあります。
基礎代謝の向上
ストレッチを行うことで柔軟性が高まり、各筋肉・関節の可動域が広がります。これによって体の動きが自然と大きくなり、日常生活の運動量が増加し、基礎代謝の向上にも繋がります。
むくみ改善
血流が悪い状態だと、水分・老廃物が体内に溜まってしまい、むくみやすくなります。そこでストレッチを行うことで血流を促進し、むくみを解消することができます。
姿勢改善
美しい姿勢を保つためには筋肉が必要です。筋力が衰えることで猫背などの悪い姿勢になり、その状態が続くことで脂肪も付きやくなります。ストレッチをして固まった筋肉・関節をほぐすことで、正しく美しい姿勢を保持することができます。
ダイエットに有効なストレッチ
では、ダイエットに効果的な具体的ストレッチ方法を部位ごとに説明していきます。
全身
ラジオ体操は、ストレッチとしての効果だけでなく、有酸素運動及び筋力トレーニングの要素も備えた全身運動で、ダイエットに最適な運動と言えます。
ラジオ体操はNHKで毎朝放送している他、YouTubeなどの動画配信サービスでも配信されています。室内・室外問わずどこでも簡単に行えるため、ウォーキングやランニングをするのはハードルが高いと思われる方でも取り入れやすいでしょう。
ラジオ体操のポイントは、しっかりと音楽のリズムに乗ることと、身体を大きく遠くへと意識して動かすことです。これらの点に注意して行うことで、筋肉・関節がほぐれやすくなり、身体の柔軟性がより高まります。
また、ラジオ体操には第1体操及び第2体操がありますが、第1体操と比べた場合、第2体操のほうがダイナミックな動きが多く運動強度の高い内容となっているため、より高いダイエット効果を得るには第2体操がおすすめです。
肩甲骨
- 両手の肘を直角に曲げた状態で顔の前で両腕を合わせます。
- ゆっくりと両腕を外側へ開いていきます。
- (1)~(2)を10回程度繰り返します。
こちらは肩甲骨のストレッチです。肩甲骨の周辺には、褐色脂肪細胞が多く存在します。肩甲骨をストレッチすることで、褐色脂肪細胞が活性化し、基礎代謝向上と脂肪燃焼が期待できます。
(1)の状態で肩甲骨を外に開き、(2)の状態で肩甲骨を内側に寄せられます。(1)~(2)の動作をゆっくりと、肩甲骨の動きをしっかりと意識して行うことがポイントです。
背中
- あぐらをかく体勢で床に座ります。
- 背筋をピンと正し、両手は膝の上に置きます。
- 胸からお腹を伸ばすイメージでゆっくりと上を向きます。
- おへその辺りを見ながら、首から尾骶骨を丸めるイメージで伸ばします。
- (1)~(4)を10回程度繰り返します。
こちらは背中の筋肉の中でも、特に広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋群を伸ばすストレッチです。(4)の動きでは、肩甲骨・背中が伸びている感覚を意識しながら行うとより効果的です。
背中の筋肉が衰えると猫背になりやすいため、背中の筋肉のストレッチを行うことによって正しい姿勢を保持できるようになります。ダイエット目的の方・猫背が気になる方は背中のストレッチを取り入れてみましょう。
お腹
- まっすぐ正しい姿勢で立ちます。
- 両手を上に向かって伸ばし、手のひらをクロスして重ねます。
- ゆっくりと右側に重心を移動させます。
- 20秒程度(3)の体勢で静止し、(1)の体勢に戻します。
- ゆっくりと左側に重心を移動させます。
- 20秒程度(5)の体勢で静止し、(1)の体勢に戻します。
こちらはお腹の側面の筋肉をほぐすストレッチです。ポイントは、重心を左右に移動させる際に肩に力を入れないようにすることです肩の力を抜いてリラックスして行いましょう。
頭から脚のつま先まで一直線に伸ばす体勢で行うストレッチのため、お腹周りだけでなく、全身を引き締める効果もあります。
腰
- 正座をした体勢で、両手を床につきます。
- 両手をゆっくりと前に滑らせながら上半身を前に倒します。
- 額が床につく辺りまで上半身を倒したら20秒程度静止します。
- 両手を脚の外側へゆっくり移動させ、両脚のつま先を掴みます。
- 20秒程度、(4)の体勢で静止し、(1)の体勢に戻します。
こちらは腰の筋肉を伸ばすストレッチです。ダイエットをしていてもなぜか腰回りなかなか痩せないという方も多いのではないでしょうか。腰回りに脂肪がつきやすい要因は様々ですが、冷えが原因のケースが多くあります。
全身の冷え、特に腰やお腹、お尻など腰回りは冷えやすくあります。腰の筋肉をストレッチでほぐして鍛えることで冷えが解消し、その結果腰回りの脂肪も落ちやすくなることが期待できます。
お尻
- 両脚を前に出して床に座った体勢から右脚の膝を曲げ、脛を床につけます。
- 両手を床につき、骨盤を起こすイメージで姿勢を正し、左脚を後ろ側にまっすぐ伸ばします。
- まっすぐ前に向かって上半身を倒します。
- 20秒程度(3)の体勢で静止し、(1)の体勢に戻します。
- 左右の脚を替えて(1)~(4)を繰り返します。
こちらはお尻の筋肉の中でも大殿筋をほぐすストレッチです。大殿筋はお尻の表面にある大きな筋肉のため、ここを鍛えることでヒップアップ効果が期待できます。
また、お尻の筋肉は姿勢にも大きく影響するため、お尻の筋肉のストレッチによって鍛えることで美しい姿勢にも繋がります。お尻のたるみが気になる方や姿勢改善を望む方はお尻のストレッチを重点的に行いましょう。
太もも
- 左脚を伸ばし、右脚の膝を曲げ、背筋をピンと正した体勢で床に座ります。
- 伸ばしている左脚のつま先を両手で掴み、つま先へ向かってゆっくりと上半身を倒します。
- 20秒程度(2)の体勢で静止し、(1)の体勢に戻します。
- 左右の脚を替えて(1)~(3)を繰り返します。
こちらは、太ももの裏側の筋肉を伸ばすストレッチです。ハムストリングと呼ばれる筋肉で、身体の中でも大きな筋肉郡のため、日常的にこの部位のストレッチによって柔軟性を高め鍛えることで、基礎代謝向上や脂肪燃焼効果が大いに期待できます。
上半身を倒す際には、太ももの裏側がしっかりと伸びる感覚を意識しながら、また、伸ばしているほうの脚の膝が曲がらないよう注意しながら行いましょう。
ストレッチを効果的に行うタイミング
ストレッチを行うタイミングは、朝もしくは入浴後がおすすめです。
朝に行うメリットは、体内の様々な機能が働き出してくれるため、身体を気持ちよく目覚めさせることができるという点です。また、朝ストレッチをはじめとする運動を行うことで、1日の基礎代謝をアップさせる効果があります。
これは、ストレッチに限らずウォーキングやランニングなどの有酸素運動でも同じことが言えます。基礎代謝向上やダイエット効果を期待する方は、朝のストレッチや運動がおすすめです。
一方で、入浴後は身体が温まり血流が良い状態のため、この状態でストレッチを行うことで、柔軟性が高まり、筋肉・関節がよく伸びます。そのため、より効率的に筋肉・関節をほぐすことができます。
また、副交感神経が活発になり、リラックスした状態で眠ることができ、睡眠の質を高めるというメリットもあります。
タイミングを決めてストレッチを毎日行うとそれが習慣となり、面倒に感じることも減りますし、継続することでストレッチの効果もより大きくなります。まずは短い時間でも同じタイミングで継続することを心がけてみてください。
ストレッチでやってはいけないこと
具体的なストレッチ方法を解説してきましたが、どの部位のストレッチについても正しい方法で行わなければ、筋肉・関節を痛めたり、怪我の原因となったりしてしまう恐れがあります。そのため、正しいストレッチ方法を学んだ上で行いましょう。
ストレッチを行う際に特に注意しなければならないのは、伸ばす動作の際に反動をつけないということです。反動をつけて伸ばす行為は、怪我・損傷の原因となる恐れがあります。ゆっくりと動かしながら伸ばすことを意識しましょう。
また、やりすぎも控えるべきです。無理をせず気持ち良い程度に行いましょう。痛みを感じるほど伸ばすと、筋肉が硬直してしまい、柔軟性の向上やダイエット効果が逆効果となる恐れがあります。
正しい方法でストレッチを行うことで、怪我・損傷を防ぐだけでなく、より高いダイエット効果も期待できるようになるでしょう。